賃貸併用住宅での「お金」の落とし穴:弱小賃貸オーナーの私達が経験を基に解説!|新築マイホームを建てた共働き子育て夫婦の家ブログ
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賃貸併用住宅での「お金」の落とし穴:弱小賃貸オーナーの私達が経験を基に解説!

賃貸併用住宅での「お金」の落とし穴:弱小賃貸オーナーの私達が経験を基に解説!

賃貸併用住宅というのは、「自分の家の一部を賃貸として貸し出す家」のこと。

 

最近では興味のある方が増えてきているようで、気になる方も多いはず!

 

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私たちも賃貸に1部屋だけ貸し出している弱小オーナーです。

このような形で1階を貸し出しています。

 

賃貸併用住宅のリアル①お金編:弱小賃貸オーナーの私達が経験を基に解説!

 

 私たちの家は112㎡で、そのうちの約30㎡を賃貸で貸し出しています。

 

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私たちの居住分は約80㎡。階段を除くと、大体75㎡前後です。

東京の平均は、マンション購入は61㎡、土地購入も含めた戸建ては97㎡が平均の広さ。

つまり、この中間の広さになっています。

 

で、賃貸併用住宅については、インターネットの検索を見ると良いことばかりが書かれているように感じます

 

でも、実は、

 

  • 注意しておかなければならない点
  • 理解しておかなければいけない

 

というのはいくつもあります。

 

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ここでは、賃貸併用を始める前に考えなければいけないお金の落とし穴について見ていきます。

 

 

 

賃貸併用住宅の注意点① 賃貸収入でローン返済は全て賄えない

 

賃貸併用住宅のうたい文句で、一時、「賃貸収入でローン返済を全て賄える」というのがありました。

 

確かに、次のような人は、可能かもしれません。

 

 土地を既に持っている人

 

 大きな土地を買って、何部屋も貸し出せるような人

 

しかし、私たちのような弱小オーナーのように、

 

  • 貸し出す部屋は1~2部屋
  • 土地も購入して賃貸併用住宅を建てる

 

となると、話は別。頭金を多く出さないと、無理です。このような場合、

 

 「賄う」のではなく、「負担を楽にする」という表現の方が、実際は正しいと思います。

 

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私たちも住宅ローンの負担は軽くなってるけど、賄えるってほどじゃないわね…

 

例えばフラット35の利用者調査の2019年のデータを使って考えてみましょう。

 

東京の場合…

 

  • 建物の取得費平均:5,907万円
  • 住宅面積: 97.3㎡
  • 平均世帯年収: 802万円

 

で、これを大体、5,000万円の住宅ローンを変動金利0.5%位で35年借りて、後は現金で賄って家を建てたとします。

 

すると、大体月々13万円くらいの返済になってきます(金利が変わらないことを前提)。

 

20㎡を1Rもしくは1Kをこのくらいの土地代の場所で貸し出すとすると、賃料は6万円くらいになると思います。

 

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6万円の賃料だと仮定しても、実際はそれはそのまま賃料の返済に充てることはできません。

なぜなら、賃貸経営には費用が掛かるから!

 

そして、その中で大きいのは、勿論これ。

 

 所得税

 

細かくは言わないですが、こうしたことを考慮し、ざっくりと計算すると、8割程度が現金として手元に残ります

 

つまり、6万円 × 0.8 = 4.8万円が、実際の手元に残る現金なわけです。

 

すると、次のような計算ができます。

 

  • 月々の返済:13.0万円
  • 賃貸収入:4.8万円
  • 差額: 8.2万円 ← この額が月々の返済額になる。

 

つまり、大体返済額の4割程度、少なくなるような計算です。

 

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私たちの返済額も、大体この割合です!

 

 

正直これでも大きな補填にはなっていて助かるとは思うのですが、「賃貸収入がローンをほとんど賄ってくれる」と考えている人には大きな誤算になります。

 

そして、現実にはこれに加えて、

 

 退去時のクリーニング費用の積み立て

 空室期間の無収入時期

 仲介手数料

 

等々があり、手元に残る賃貸収入というのは、長い目で見ると、もう少し小さくなります。

 

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そのため、賃貸併用住宅にする場合は、ちゃんとした収支計画を行う必要があります

 

 

特に自分達の居住スペースを部屋して賃貸併用を作る場合は、「せっかく住むスペース削ったのにこれだけしかできないの?」とならないように注意が必要です。

 

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賃貸併用住宅の注意点② 賃貸収入はローン審査に加味してくれない

 

賃貸収入を加味してくれるような話を書いてあるサイトが一時期たくさんありました。

 

しかし、銀行はまずローン審査に賃貸収入を加味してくれません。理由は、これ。

 

  • 賃貸オーナーとしての経験が今までない
  • 「かぼちゃの場所」と「スルガ銀行」の事件があった後は、投資不動産関連の審査が厳しくなっている

 

私たちが賃貸併用住宅を建てようとしていた時は、「かぼちゃの馬車」と「スルガ銀行」のごたごたがあった直後。

 

ネット銀行、大手3行(三菱UFJ・みずほ・住友)は加味しないのは当たり前。

 

仲介会社が可能性があるかも、と言っていた「きらぼし銀行」なんかも、賃貸収入を住宅ローン審査に加味してくれませんでした。

 

半沢直樹でもあるとおり、銀行は「超保守的な体質」。前例がないことや、問題が出たことに対して融資は消極的になります。

 

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なので、賃貸併用住宅のために借入金額を大きくしたい、また、金利も抑えたい!と思っても、自分たちの年収と属性で勝負するしかありません。

 

ここで何が言えるかというと…

 

 年収が高い人、もしくは共働きのダブルインカムの人しか、賃貸併用住宅を建てることができない

 

 

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「金持ちはより金持ちに」。この言葉がよく当てはまりそうね…

 

 

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賃貸併用住宅の注意点③ 借入可能なネット銀行は現在は1行のみ

 

対面式の銀行の場合、話をすれば賃貸併用住宅でも住宅ローン貸出をしてくれます(フラット35での賃貸併用は可能)。

 

一方でネット銀行。金利が安いネット銀行の場合、当時、賃貸併用住宅で借入が可能なのは次の2行のみでした(2019年3月頃)。

 

 住信SBIネット銀行

 じぶん銀行

 

そして他の銀行は、賃貸併用住宅は不可

 

更に、何と今見たところ、じぶん銀行でも賃貸併用物件は不可になっていました…

 

つまり、現時点で借入可能なのは、住信SBIネット銀行の1択になっています。

 

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参考までに、各銀行の賃貸併用に関する取扱いが記載されたリンクを以下の通り掲載していますので、ご覧になってください。

 

 

 個人的な意見ですが、住信SBIネット銀行の場合、他のネット銀行と比べると審査は厳しめ。

 

なので、借入できたとしても頭金を用意しなければならなかったりする可能性もあります。

 

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ちなみに、賃貸部分の割合を50%より小さくしないと住宅ローン借りることができません!注意してくださいね♪

 

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賃貸併用住宅の注意点④ 賃貸部分は住宅ローン減税(控除)を受けられない。

 

住宅ローン減税(控除)の概要は、こちらの国土交通省のサイトを見ていただくとよろしいかと思います。

 

一言良いポイントを言うと、「10年間、年末残高の1%を、所得税から控除しますよ」という点(上限あり、消費税増税後の人は13年まで拡張)。

 

ただし、この計算を行うにおいて、賃貸部分に相当する借入金額は除外しなければなりません。

 

先程の例でどのように計算するかざっと確認してみます(簡単に計算するために、借入金額をそのまま使います)。

 

  • 借入金額:5,000万円
  • 住宅面積: 97.3㎡
  • 賃貸部分: 20.0㎡
  • 長期優良住宅の場合

 

例えば、この場合、普通の住宅であれば、

 

 借入金額 5,000万 × 1% = 50万円

 

これが、控除金額のMAXになります。

 

しかしながら、賃貸併用住宅部分は次のような計算式になります。

 

 借入金額 5,000万 × 1% × (97.3㎡ - 20㎡)/97.3㎡ ≒ 37.7万円

 

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このように減税(控除)部分は減るので、これも収支計画を考える際には、ちゃんと考慮してあげる必要があります。

 

 

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賃貸併用住宅の注意点⑤ 賃貸部分は不動産取得税の軽減制度対象外

 

不動産を取得した場合、不動産取得税を支払う必要があります。

 

これがかかってくるのは、土地それぞれです。

 

そして、この取得税には軽減制度があります

 

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平均的な木造の家と土地の大きさであれば、軽減措置で取得税はかかりません。

 

 

  • 一方で、賃貸部分は、軽減制度の対象外です。

 

例えば先ほど例で、20.0㎡が賃貸スペースだとすると、ざっと計算すると、

 

 賃貸スペース 20.0㎡ × 木造の場合の㎡当たりの単価(東京の場合) 91,000円 × 4% ≒ 7.3万円

 

このくらいの金額が、賃貸にした場合、取得税としてかかってくると思います。

 

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ちなみに、土地の場合はどうなるの?

 

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土地の場合は、賃貸と居住スペース分けて考える必要がないから、軽減措置を受けられるんだ。不思議だよね!

この辺り詳しく知りたい方は、主税局のホームページ等を参照して下さい♪(東京主税局のQ&Aはこちら

 

 

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賃貸併用住宅の注意点⑥ 普通に建てるよりも、費用は割高になる

 

当たり前の話ですが、設備(キッチン、お風呂、洗面台、トイレ、玄関ドアetc… )と追加で必要になってくるので、お金が追加でかかります。

 

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ちなみに、私たちの場合は、合計で100万円以上の追加となっています。

2世帯住宅を建てるときと同じような感じですね。

 

具体的には、以下のとおりです。

 

詳細 金額(万円)
1 床遮音追加工事 38.8
2 洗面台 4.5
3 キッチン 24.6
4 ユニットバス 23.9
5 賃貸玄関回り 22.7
6 シューズボックス 4.2
7 賃貸仕様変更 4.0
8 LAN通線工事(賃貸) 1.9
合計 124.6

 

また、この他にも次のようなものもかかります。この部分はどの程度の割合になるのかは私たちは良くわかりませんでした。

 

  • 界壁(賃貸と居住スペースの間に設置する分厚い壁)
  • ガス・水道の世帯が増えることに伴う追加工事

 

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つまり、平均的な建築費用より高くなる可能性がある、ということなんです。

 

と、お金について色々と経験を基に述べてきました。

 

賃貸併用住宅はメリットも勿論ありますが、このように色々と追加でお金がかかってきます。

 

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なので、こんなはずじゃなかった!と後悔しないためにも、ぜひ色々と調べた上で検討してくださいね♪