ここでは、ちょっとした坪単価にまつわるをお話したいと思います。
ネットに出ているハウスメーカーの坪単価〇〇円は良くわからなく比較ができない
よくネットで、
このハウスメーカーは坪単価〇〇円
のような記事をよく見かけます。
この数値、本当にあてにならないです!
なぜなら、前提条件が良くわからないから。
そして、ハウスメーカーも何とかコストを安く見せようとしているので、都合の良い金額を載せていることが多々です。
結局のところ、次の2点は覚えておくべきところです。
- 家の金額が敷地要因や家自体の仕様によって全く値段違う
- 家の建築費以外でも、色々とかかるものがある
で、その他でもよく見かけるものは、このフレーズ。
建築費は大体全体の費用の8割、残り2割が付随費用としてかかってきます
確かにざっくりとするとそうなる場合もあるかもしれないですが。これも正直何とも言えません。
それも結局「その人たち次第」です。
で、実際に本当にあてにならないよ、という例を一つ実例で紹介したいと思います。
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とあるハウスメーカーのキャンペーンを実例に…
どことは言いませんが、私たちの家を建てたハウスメーカーは結構色んなキャンペーンをやっていまして。
で、先日以下のようなキャンペーンを行っていたわけです。
- 3階建て応援キャンペーン 限定先着5等 延床面積30坪 2,100万円(税抜)(1坪増えるごとに65万円(税抜))
- キャンペーン特別仕様14アイテムが標準装備!
どうでしょう、ぱっと見、安く感じませんか??!
これだけ見ると、坪単価は70万円ですからね(2,100万円 ÷ 30坪 = 70万円)
しかも、特別仕様14アイテムも標準でつけてくれるなんて!!
ただ、ここですぐわかるのが、一つあります。
消費税が抜けてるー!
2,100万円の10%は210万円ですので、税込2,310万円になります。
消費税込みにすると、坪単価は70 -> 77万円にアップです。
そして、このチラシの下の方を見ていくと、とてもちっちゃく以下のような記載があります。
- 本広告記載の建物総額には以下の内容は含まれません。(解体工事費・外構工事費・地盤改良工事費・空調工事費・浄化槽設置工事費・
屋外給排水工事費・ガス工事費・建築確認申請料・敷地調査料・設計料・諸登記費用・ローン諸費用・火災保険料・他税金および本広告に記載のないもの) - 防火地域、準防火地域、旗状敷地、高低差のある土地、傾斜地、立地条件、プラン等によっては工事費に差額が生じる場合があります。
1つ目の項目ですが、我が家では、解体工事費と浄化槽設置工事費以外、全て発生しています。
で、怖いのが、この文言。
本広告に記載のないもの
3階建てなので、構造計算料も必要だし、中高層条例に基づいた申請も必要になる可能性もあるよな…
給排水管が古ければ取り出し工事もしなければいけないぞ…
敷地要因で道が狭かったり、旗竿地の場合は別途現場管理費が余計にかかるな…
で、2つの目の文言についても同様です。
3階建てだと、準防火地域では、準耐火仕様にしないといけないし、防火地域だったら、木造で耐火仕様だよな…これもコストアップだ…
と見えないところで色々追加でお金がかかってくるわけです。
でもこの場合、営業マンによると、キャンペーン仕様なので、これらの別途費用は値引きの対象にならずに、普通にかかってくるんだそう。
ちなみに、私たちの場合、諸登記費用・ローン諸費用・火災保険料・他税金を除くと、こうしたその他にかかっている金額は、
およそ税込で1,000万円。
私たちの家の場合は、準耐火仕様だったりとか、容積率の関係上、ルーフバルコニーにしなければいけない部分が多くなったり、建物の形がちょっと凸凹したり、前面の道が狭かったり…
とあったので、これくらいかかってしまってます。
私たちの家は約34坪ですので、仮にこのキャンペーンで家を建てようとすると、こんな感じになっちゃいます。
- 2,100万円 + 65万円 x 4坪 = 2,360万円 … 税抜金額
- 2,360万円 x 消費税 10% = 2,596万円 … 税込金額
- 2,596万円 + その他の費用 1,000万円 = 3,596万円
1では坪単価70万ですが、実際の支払金額3になってくると、坪単価106万円です!
どうでしょう、全然金額違いますよね。
ちなみに、我が家の総費用は、以下の記事にもあるとおり、3,796万円。
キャンペーン価格といいつつ、実際200万しか変わらないんですよね…
しかも、14の特別仕様と言われているものも、特に魅力がないし、
「これ、うち必要なくない?」
みたいなものが多数…
一方で、私たちの家の方は自分たちの好みにカスタマイズした家(賃貸併用だったり、仕様をかなりこだわったり)。
なので、気持ち的には、
キャンペーン価格の方が実質高いじゃん!
という感じ。
ちなみにこのキャンペーンのチラシを見ると、性能面については数値出していません。
このハウスメーカーは長期優良住宅取得できることを標準に入れているので、ある程度の性能は確保できるとは思います。
しかしながら、いつものキャンペーンですと、でかでかと
「耐震等級3!劣化等級4!」
みたいな感じでうたっています。
そうしたことを考えると、長期優良住宅の中でも、一番低いレベルで取得しようとしているのかな、と推測してしまいます。
耐震等級3ではなく、2とかでね…
私たちの担当していた営業マンに以前確認したところ、「キャンペーンはキャンペーンではないので、鵜吞みにしないでください」と、言ってました。
本当にその通りだと思います。
むしろ、どちらかというとハウスメーカーに対するキャンペーンに思えてきます。
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なので、ハウスメーカーを坪単価で比較するのはやめて、自分の要望まとめてから相見積もり取った方が良いのです。
このように、坪単価というのは、傾向はつかめるかもしれませんが、
実際に表立って出ている坪単価というのは、あてにならないし、参考にならない
というのが本当のところなのです。
で、基本はやっぱりですね。
- 自分の要望を整理したうえで、ちゃんと複数のハウスメーカーの相見積もりを取る。
これが重要なんではないかと思います。
坪単価でみるのではなく、自分の希望を叶えられる家を安く作ってくれるところがその人にとっての良いハウスメーカー・工務店なわけです。
では具体的には、どうするか?
次の2つの記事に書いてあることをしっかりとするのが大事ではないかと思います。
というわけで、以上が坪単価にまつわるお話でした!!