住宅ローンの借入金額は、どの位の返済比率が良いのかしら?
借りられる金額と無理のない金額は違うって聞くし、何が理想か良くわからないな…
マイホームの購入は、人生にとって大きなお買い物。
それであるが故に、ほとんどの人が住宅ローンを使って購入をします。
その中で、気になるのが、これ。
どれくらいの住宅ローンを借りるのが良いのだろう…?
そして、こうした疑問の解消するための一つの指標が、「返済比率」。
住宅ローンにおいて「返済比率」とは、次の割合のことを言います。
- 年間返済額(元本+利息) ÷ 額面年収(税引き前年収) = 返済比率
そこで、今回はこの「返済比率」の理想的な割合について、考えてみました。
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住宅ローンでの返済比率の理想の割合は?【結論:人それぞれです】
残念なお話なのですが…
理想の返済比率の割合というのは、人によって違います
それもそのはずで、個々人によって家計の状況も異なり、お金に対する考えも違うから。
例えば、次のような点が人によって異なります。
- 年収
- 家族構成
- 支出状況(何にいくら使っているか)
- 借入年収
- 金利
とはいっても、「人それぞれ」が結論であればこの記事は終わってしまうので、私たちなりの考えをお話します。
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理想の返済比率が「20%以下」は的を得ていると思う
一般的に言われているのは、次のような考え方です。
- 借入可能な返済比率:30%~35%
- 極力目指したい返済比率:25%以内
- 無理のない返済ができる比率:20%以内
私たちは、この「20%」という割合は、あながち正しいと思っています。
まず、住宅金融支援機構の調査を見ると、ここ数年の返済比率として多いのは、15%超20%以内です。
このグラフは、住宅金融支援機構の調査から、過去5年の変動金利を選択をした方の返済負担割合についての推移です(全て年度の第1回調査)。
この通り、2015年と2017年を除き、一番割合が大きいのは、15%~20%。
2015年と2017年についても、10%~15%の割合に次いで、僅差となっています。
つまり、多くの人が、この程度が理想的だろうと考え、借入を行っているということです。
そして、私たちのお話をしますと…
2020年は、世帯年収に対して、返済比率は20%でした。
なお、2021年の見込みとしては、世帯年収に対して19%です。
そして、私たちの家は賃貸併用住宅ですが、この賃貸併用収入は上の比率には入れていません。
賃貸収入を加味しますと…
- 2020年比率:18%
- 2021年比率見込み:17%
まさに、15%~20%の中の一員というわけです。
私たちの感覚は、この比率では、私たちにとって「無理のない返済」です。貯金もできますし、娯楽や趣味にお金を使うことも可能です。
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理想の返済比率よりも大事なこと
一方で、調査を見てみると、住宅ローンの返済比率「30%以上」も、1割程度います。
実際のところ、返済比率が高くても、家計が赤字にならなければ問題ないわけです。
そして、赤字にならないようにするには、次の4つをしっかりと把握することが重要。
- 手取り収入
- 住宅ローン返済金額
- その他全ての生活費
- 目標とする貯金額
この4つの項目を使って次のとおり計算し、赤字にならないかを確認します。
- 手取り収入 - ローン返済金額 - その他の支出 - 貯金 > 0
この式で0以上になれば、別に30%でも35%でも問題ないです。
ただし、ローン比率が30%を超えてくると、その他に使うことのできる金額は少なくなります。
参考までに、私たちの現在の生活レベルや、目標としている年間貯金額から考えますと…
- 返済比率25%:今の生活レベルを下げるか、貯金額を減らすかのどちらかの対応が必要
- 返済比率30%:今の生活レベルを下げ、貯金額を減らさないといけない
- 返済比率35%:今の生活レベルを下げても貯金あまりできない。共働きでなくなれば一気に赤字に。
このような形になります。
35%の返済比率で生活することはできそうだ、ということは分かります。
ただ、私たちの例で考えると、35%はかなり「リスキー」。このリスクをどう取るかは、考え方次第ですが…
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返済比率に含まれない費用にも注意を払うべき
返済比率というのは、あくまで住宅ローンに関連した金額のみ。
ですが、「家を持つ=一定の追加費用が発生」となるので、注意が必要です。
- 毎年かかるもの:固定資産税
- 戸建て特有のもの:修繕費(5年~10年毎)
- マンション特有のもの:管理費、修繕積立金
こうした費用だけで年間で十数万かかります。なので、ちゃんと把握しない、他の費用を削る必要がでてくる可能性が…
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返済比率を落としたければ「変動金利」を選ぶべき
返済比率を落とす方法として、次の3つの方法があります。
- 額面年収を上げる
- 住宅ローン借入金額を下げる
- 低い金利の住宅ローンを選ぶ
ただ、実際に額面年収を上げるのも、借入金額を下げるのも、すぐにはできることではありません。
一方で、金利については、低金利である変動金利を選べば、返済比率を落とすことは可能です。
フラット35などの固定金利は、年率1%前半が安い部類に入ります
一方で、変動金利では、年率0.3%台から借りることも可能です。
実は、金利が1.0%と0.3%では、支払い額に大きな差が出ますよ。
例えば、4000万円を35年でのローンで、元利均等で借りたとします。
そうすると、変動金利0.38%で借りた場合と、固定金利1.0%で借りた場合の月々の返済は、次のとおり。
- 0.38%の場合:約10.2万円
- 1.0%の場合:約11.3万円
このように、月々の支払で1万円違います。
月々1万円=年間12万円ですから、結構大きいです。
参考にですが…もっと驚くのは、利息額です。。。
実は、1年目の利息に相当する支払い金額は、次のようになります。
- 0.38%:約15.0万円
- 1.0%:約39.6万円
更に、このように利息に差が出る結果、35年間で支払う総支払利息額は、数百万単位で違います。
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意見:変動金利はそこまでリスクは高くない
変動金利については将来的に金利が上がるリスクはあるのですが、私たちは「そこまで上がらない」という見解。
その中で大きな理由は、次の点です。
- ほとんどの人が変動金利を選択している時代。金利を大きく上げたら、経済に大きな影響を与える可能性がある
実は、ここ10年の主流は、「変動金利」です。
住宅支援機構の調査によると、2011年から、半数以上の人は、変動金利を選択しています。
そして、2020年5月の調査では、6割超の方が、変動金利を選択しているとのことです。
変動金利だからと言って金利を上げてしまうと、多くの人に影響が出ます。
つまり、銀行側も、金利を上げるのは慎重にならざるを得ないわけです…
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一番条件の良い住宅ローンを探すには複数銀行での審査が必要
2021年1月時点で新規借入の場合、ジャパンネット銀行の0.38%が最安金利です。
そして、じぶん銀行の0.41%がその次に来ています。
ですが、この最安金利で必ずしも審査が通るというわけではありません。
また、借りられたとしても、希望する金額を借りることができるとも限りません。
なぜなら…
銀行の審査には個別性があり、各銀行によって判断が違う
ですので、できる限り多くの銀行の感触を確かめ、一番条件の良い条件を探すことが大事です。
私たちも、合計10行以上に審査を依頼し、最後の最後で借入金額・金利共に一番良い条件を勝ち取りましたし…
とは言っても、住宅ローンに多くの時間を割くことができない方も多いはず。
そのような方は、次の記事にある方法を使えば、条件の良い住宅ローンを、効率的に探すことができるかも。
というわけで、以上が住宅ローンの理想の返済比率についてのお話でした。
理想の返済比率は人それぞれですが、無理をした高い返済比率は、生活の質の低下につながります。
なので、自分たちの生活の中で、無理のない範囲で考えていくことが妥当。しっかりと検討してみてくださいね!