住宅ローンの借り換えは、どの位金利が安くなるとお得なのかしら?
金利差1%あると大丈夫って聞くけど、それ以下だとどうなんだろう……
マイホーム購入で多くの方が利用する、住宅ローン。
住宅ローン金利は以前と比べ、圧倒的に下がっています。
今では変動金利ですと、0.3%台での商品も登場していますしね。
なおかつ、「がん保障」や「疾病保障」など、保障が充実した住宅ローンも数多くあります。
ですので、以前に住宅ローンを組んだ方が思うのは、これです。
借り換えした方がお得なのでは?
そして、お得なのかを確認するには、「借り換えすると、どの程度返済額が減るのか」の計算が必要。
そして、この計算をする上で、金利差を把握することは大事です。
というわけで、今回は借り換えをする際の金利差はどの位あると良いのかをまとめました。
ちなみに、モゲチェックなどの計算シミュレーターでは、簡単に削減額の計算が可能です。
- 【一般論は怪しい】住宅ローンの借り換えで金利差はどの程度あるべき?
- 金利差のボリュームゾーンは【0%~1%】
- 毎月の返済削減額は【0円超~15000円】が大半
- 【金利差】と【返済削減額】から借り換え条件について言えること
- 1%以下の金利差でも、借り換えのメリットがある
- 0.5%以下の金利差の場合、残年数が長いか、残高が大きい必要がある
- 金利差がなくても借り換えしている人は、保障を充実させたいのではないか
- 金利が上昇している場合は、様々な要因あり。金利種別の変更が一つの要因ではないか
- 住宅ローン残高と返済残年数は間違いではなさそう
- 【結論】金利差は0.5%あればメリットあり
- 金利差以外に「諸費用」は必ず確認が必要
- 金利差の計算は、シミュレーターが便利
【一般論は怪しい】住宅ローンの借り換えで金利差はどの程度あるべき?
一般的に良くネットなどの話ですと、次の条件を満たせば、借り換えにメリットがあると言われています。
- 金利差:1%以上
- 住宅ローン残高:1000万円以上
- 返済残年数:10年以上
ですが、この金利差については、怪しいです。
実際には、調査上、1%以上の金利差で借り換えを行う人の割合は少ないです。
というわけで、住宅金融支援機構の借り換え実態調査の調査結果について見てみます。
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金利差のボリュームゾーンは【0%~1%】
余談です。なんでもそうなのですが、疑問を解決する場合、何らかの調査結果を見て、市場のトレンドを掴むこと。
そして、トレンドに乗って判断していくのは、結構大切です。
それに、ブログ記事だけでなく、案外、新聞とかも適当なこと言っていること、多いんですよ。
そんなときに、調査などの結果を知っておくと、何が本当で、何が嘘かも分かるんですよね。
今回、この金利差については、住宅金融支援機構の調査にある、「住宅ローン借換えの実態調査」を見てみます。
実は、金利差がどの程度あったか見てみると、ボリュームゾーンは0%~1%という結果が出ています。
2020年10月発表の調査では、「変動金利」では次の割合になっています。
- 2.0%超:5.1%
- 1.5%超~2.0%以下:6.5%
- 1.0%超~1.5%以下:15.0%
- 0.5%超~1.0%以下:35.8%
- 0.0%超~0.5%以下:32.9%
- 金利は上昇した:5.1%
金利が上昇した、という人が5%もいるのは驚きなのですが、大体の人が、0.5%~1.0%です…
なお、この傾向は、固定金利でも同様の傾向が出ています。
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毎月の返済削減額は【0円超~15000円】が大半
更に、毎月どの程度返済額が減ったかの調査を見てみると、【0円以上~15000円以下】が全体の6割を占めます。
- 20000円超:6.6%
- 15000円超~20000円以下:5.1%
- 10000円超~15000円以下:10.1%
- 5000円超~10000円以下:23.7%
- 0円超~5000円以下:27.0%
- 変わらない:18.9%
- 増加した:8.6%
これも、固定金利でも同様の傾向です。
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【金利差】と【返済削減額】から借り換え条件について言えること
金利差と返済削減額について調査結果について見てきました。
このことから、私たちは次の4つのことを考えました。
- 1%以下の金利差でも、借り換えのメリットがある
- 0.5%以下の金利差の場合、残年数が長いか、残高が大きい必要がある
- 金利差がなくても借り換えしている人は、保障を充実させたいのではないか
- 金利が上昇している場合は、様々な要因あり。金利種別の変更が一つの要因ではないか
1%以下の金利差でも、借り換えのメリットがある
これはもはや明白だと思います。
例えば、金利差が【0.5%】(0.9%→0.4%)、残年数が【20年】、住宅ローン残高が【3000万円】とします。
この条件で、モゲチェックの計算シミュレーターを使うと、諸費用を払っても、43万円総返済を減らすことができます。
このように、金利差が0.5%でも、結構な額を削減することが可能です。
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0.5%以下の金利差の場合、残年数が長いか、残高が大きい必要がある
金利差が0.5%以下になると、次のどちらかの条件を満たさないとメリットはありません。
住宅ローンの借入残年数が長い
住宅ローン残高が大きい
例えば、先ほどの例での金利差を、0.5%から0.4%に変えると、削減額は43万→11万円となり、ほぼメリットがなくなります。
その一方、0.4%になっても、借入残年数が30年あれば、削減額は11万円→75万円になり、大きなメリットがでてきます。
また、仮に住宅ローン残高が5000万円あると、この場合も削減額は11万円→43万円と、メリットがでてきます。
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金利差がなくても借り換えしている人は、保障を充実させたいのではないか
以前に比べると、保障が充実した住宅ローン商品は数多くマーケットに出ています。
今は、どこの銀行でも、がん団信や疾病保証付の商品ありますよね。
今は健康状態は問題ない。けど、歳とってきたし、疲れやすくなってきてるし、保障あった方がいいかも。。。
年齢が高くなるにつれて、このように思う方が一定数いるのではないでしょうか。
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金利が上昇している場合は、様々な要因あり。金利種別の変更が一つの要因ではないか
「なんで金利上がるのに、借り換えなんてするの?」
こういう風に思いますよね。正直、私たちも思いました。
ですが、変動金利から固定金利に切り替えたら、金利上がるよなと。。
なぜ、変動から固定に変えるかというと…
将来の金利上昇を避けるためのリスクの回避
変動金利だと、将来金利が上がる可能性はある。
一方で、固定金利は、そこから金利が上がることはない。
最近では、固定金利もかなり低くなってきてます。
なので、「固定金利も今は低い。だから金利が上がっても、将来のリスクを回避したい!」と考える人が、一定数いると考察しています。
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住宅ローン残高と返済残年数は間違いではなさそう
ちなみに、「住宅ローン残高」と「返済残年数」は、一般論どおりで問題なさそうです。
調査結果では、返済残年数が【10年以下】、または残高が【1000万円以下】の借り換え率は低いです。
以下、変動金利の場合の割合です。
- 借り換え融資額が1000万以下の割合:7.5%
- 返済期間が10年以内の割合:12.2%
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【結論】金利差は0.5%あればメリットあり
以上から、借り換えメリットがある条件を、私たちが定義しなおすと、次のとおりです。
- 金利差:0.5%以上
- 住宅ローン残高:1000万円以上
- 返済残年数:10年以上
- 金利差0.5%以下でもメリットある場合あり。他の要素も見るべし
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金利差以外に「諸費用」は必ず確認が必要
もう一つ補足なのですが、借り換えのメリットがあるかどうかを見るには、諸費用の把握も必要。
地味に費用かかりますからね…
ちなみに上の方で使ったモゲチェックの簡易シミュレーターは、諸費用も考慮してくれてます。
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金利差の計算は、シミュレーターが便利
というわけで、以上が金利差についての考察です。
このようなきちんと把握していけば、借り換えがお得なのかどうか、正確にわかります。
ですが、自分で計算し、シミュレーションするのは結構面倒です…
実は、この面倒さは、インターネット上の「計算シミュレーター」を使うと解消します。
例えば、この記事でも使いましたが、モゲチェックの計算シミュレーターは便利。
諸費用を含めた上で返済額を減らせるかどうか、5秒で確認が可能です。
ちなみに、このシミュレーターでは、保証料の戻りは含まれていないです。
そのため、保証料の戻りがある場合、返済額を更に減らせます。
というわけで、以上が住宅ローンの借り換えの金利差と金利差に関連したお話でした。
金利差については、一旦理解してしまえば、そこまで難しくありません。
借り換えを考えている方は、計算をし、メリットがありそうであれば、ぜひ行動に移してくださいね。
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