分かっているようで、分からない、「個人信用情報」。
私たちも正直、信用情報が調べられるのは知っていましたが、具体的な内容は知りませんでした。
いったいどんなことが信用情報には載るのかしら?
何か不利になるようなことを、銀行に調べられていないよな…?
住宅ローン借入できないと、多くの人は家を建てることができません。
ですので、自分に少しでも不利になりそうなことは、より理解しておきたいもの。
ということで、今回は住宅ローン審査で使われる、信用情報についてまとめました。
- 賃貸併用住宅の家を建て、不動産収入のある共働き夫婦。
- 夫は米国公認会計士で、妻は2級ファイナンシャルプランニング技能士。
- お金に関して少し得意な夫婦が、協力して記事を執筆中。
※ 【無料で簡単】失敗を防ぎ、時短にもなる住宅ローンのサービスこちらの記事で私たちが紹介しているサービスは、住宅ローン選びに役立つかもです。なお、既に借入先を決めた方は、見ないでください。「使っておけばよかった」となると困るので…
【簡単に解説】住宅ローン審査の信用情報とは?【奨学金はバレる?】
住宅ローンでの個人信用情報とは、次のことを言います。
- 住宅ローン審査申込した人の他の借入状況や、過去の返済履歴のこと。
仮審査を行う際、私たちは、「他の借入状況」について、自己申告をします。
ですが、その他の借入状況も、その返済履歴についても、銀行は自分で調べることができてしまうんですね。
これは、住宅ローンだけの話ではないのですが…金融機関がお金をが貸す時、必ず相手の「信用情報」を確認します。
「貸してはいけない相手に貸すのを防ぐため」
これが、一番の目的です。
ですので、世の中には、この「個人信用情報」を参照できる仕組みが作られています。
簡単に言うと、次のような仕組みです。
- 銀行・クレジットカード会社などの金融機関は、信用情報機関に加盟している。
- その信用機関のデータベースに、金融機関は貸出先(私たち)の借入情報を登録している。
- 加盟会社はそのデータベースを見ることが可能。なので、審査の段階で、データベースを参照し、個人の信用情報を確認する
これが、一連の流れです。
ちなみに、「奨学金の場合、どうなの?銀行は借りてる金額とか分かるの?」と思う方多いと思いますが…
「返済遅延」していなければ、銀行は奨学金の情報を把握できない
これが結論です。
銀行は調べれば分かるので、奨学金借りてたら借入状況に書いて下さいね。
私たちがやり取りした、とある銀行の担当者はこう言ってきました。
が、これは「はったり」なので、だまされないようにすべきです。
この辺りは、この記事の後の方でもう少し細かく見ていきます。
<目次に戻る>
個人信用情報を扱う機関について
というわけで、個人の信用情報を扱う機関について、簡単にお話します。
信用情報を扱う機関は3つだけ
実は、日本には個人信用情報が登録される機関は3つだけ。
ある程度、すみ分けもされています。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC):銀行系
- シー・アイ・シー(CIC):クレジットカード会社、ショッピングローン会社系
- 日本信用情報機構(JICC):消費者金融系
<目次に戻る>
具体的に登録されている信用情報
どのような私たちの情報が登録されているのか、気になりますよね。
実際に、各機関は主には次のような項目を、データベースに持っています。
- 本人の情報(氏名・生年月日・住所・電話番号等)
- 取引情報(ローン等の契約内容と、その返済履歴など)
- 照会情報(加盟会社や本人が、信用情報を見た場合の閲覧履歴)
ようは、借入返済の滞納や遅延が起こると、この「取引情報」に登録されてしまう可能性があるんです。
<目次に戻る>
どれくらいの期間記録が残るのか?【保存期間は注意】
そして、この信用情報は、記録の保存期間が各機関ごとに決められています。
正直、この3機関とも期間は同じですが…
具体的には、次の通りです。
- 本人の情報:取引情報が登録されている期間
- 取引情報:契約期間中及び契約終了後5年以内
- 照会情報:基本6か月以内。ただ、KSCの場合は、本人が照会した場合は1年以内
ちなみに、以下のリンクから、直接「登録内容」と「保存期間」については確認できます。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- シー・アイ・シー(CIC)
- 日本信用情報機構(JICC)
<目次に戻る>
【銀行は何を判断している?】返済比率と支払い能力
銀行が一番避けなければいけないのは、上の方でも書いたとおり、これです。
貸してはいけない相手に貸すのを防ぐこと
更に言うと、「貸すとしても、貸せる以上の額を貸す」ことも、絶対に避ける必要があります。
そのために、銀行は、この個人信用情報を使い、次のような点を見ています。
銀行が確認していること① 返済比率
個人信用情報を見れば、「どれだけ他で借入しているか」が分かります。
例えば…
- 自動車ローン
- 教育ローン
- ショッピングローンなど…
これが何に関わってくるかというと、「返済比率」です。
他に借入がある場合、その他の借入も含めて、「返済比率」が見られます。
つまり…
他に借入がある場合、住宅ローンの借入可能額は低くなる
そして、最悪のケースは、「他で借入が多いから、住宅ローンの貸し出し不可」となりえます。
<目次に戻る>
銀行が確認していること② 支払い能力
銀行は、「返済履歴」を見て、相手の支払い能力を確認します。
具体的に言うと…
- 過去の借入の返済で、遅延や延滞がなかったかの履歴
- 過去どのような金融機関から借りたかの履歴
これ情報を見て、銀行は何を確認しているかというと…
「クレジットカードの支払いなどで、遅れはなかったか」
「過去キャッシングなどでの借り入れはないか」
住宅ローンは、こうした借入よりもずっと大きな金額になります。
ですので、この辺りについて問題ないかを必ず確認し、問題があれば、即刻「アウト」になるわけです。
<目次に戻る>
どの銀行に住宅ローン審査を申し込んでいるか
これは、補足的な情報なのですが…
保存期間のところにも書いたとおり、照会記録の保存期間は半年~1年間です。
つまり、これが何を意味しているかというと…
- 複数の銀行に住宅ローン審査を依頼した場合、後に依頼した銀行は、どこに審査を依頼したかが、わかってしまう。
例えば、A銀行、B銀行、C銀行の3行に審査を依頼したとします。
A銀行→B銀行→C銀行の順で、個人信用情報の照会をかけたとしましょう。
そうすると…
- A銀行:申込者が他のどの銀行に住宅ローン審査を出しているか分からない
- B銀行:申込者がA銀行に住宅ローン審査を出していることが分かる
- C銀行:申込者がA銀行、B銀行に住宅ローン審査を出していることが分かる
このように、なるわけです。
正直、これは、どう銀行の審査に響くかは分かりません。
A銀行って、利率うちとそう変わらないし、負けるかも。勝つために、希望融資額どおりに承認しようか…
となるかもしれませんし、逆に…
めちゃくちゃ色んなところに審査出してるじゃん…うちは希望融資額より低く出そうかな…
このように思われてしまうかもしれません。
<目次に戻る>
住宅ローンを借りる時に【問題】になる信用情報とは?
というわけで今までの内容で、銀行の視点が分かったのではないかと思います。
そこで、次に、どういった個人信用情報が審査で【問題】になるかをもう少し具体的にいくつか見ていきます。
滞納・遅延が過去にあった場合
例えば、クレジットカードの引き落とし日に間に合わず、期日どおりに支払いできなかった場合。
こんなことが一回でもあったら、信用情報に遅延や延滞が載ってしまうの?
正直に言うと、この辺りに明確なルールというのは存在せず、各社の判断に任されています。
つまり…
厳しい会社の場合:1回でも遅延があると情報が登録されてしまう
なお、一般的に言われている基準は、次のとおりです。
- 返済日から61日以上支払遅延している
- 複数回期日までに支払いがされなかった
ちなみに、「遅延や延滞の登録=事故情報(ブラックリスト入り)」ということになり、住宅ローンの借入は難しくなります。。。
まあ、普通に生活している人は、この辺りは問題ないと思いますが…
<目次に戻る>
その他に借りている債務が多い場合
自動車ローンや教育ローンなどは、分かりやすい借入の例かと思います。
ただ、これ以外にも、様々なことが「借入」として情報登録されています。
- ショッピングローン(セディナなどの分割ローン)
- Iphoneなどスマートフォンの本体を分割払いしている場合
- カードローン
- クレジットカードでのキャッシングetc.
勿論、借りれる範囲で借り、生活に支障がないのであれば問題ありません。
ですが、このように他で借入していれば、住宅ローンの借入可能額は、必ず少なくなります。
そして、「他で借りている額が多すぎる」となると、最悪は、住宅ローン審査で落ちます。
<目次に戻る>
消費者金融からの借入がある場合
銀行によっては、【消費者金融から借入している・していた】こと自体がアウト、とルールを設けているところもあります。
通常、借入をしている場合は、何らかの目的があると思います。
一方で、消費者金融からの借入は、目的が「不明確」とみなされるんです。
それに、「消費者金融」自体が、ネガティブな印象を与えます。
例えばですが…
え、消費者金融に借りなきゃいけない程生活困るってどういうこと…?もしかしてギャンブルに使ってる?!
結局、住宅ローンを審査するのも「人」です。
客観・中立的に判断するのは当たり前なのですが、やはりそうは言っても、印象は審査に影響を与えてしまいます。
<目次に戻る>
【基本はバレない】奨学金の返済残高について【滞納はダメ】
そして、多くの人に関わってくるのが、「奨学金の取り扱い」だと思います。
私も住宅ローン借入時には奨学金の残が残っていました。
そもそもの話として、「奨学金があっても住宅ローンは借りれる?」という部分だと思いますが…
何ら問題なく借りれます
では、奨学金と個人信用情報について、少しお話します。
日本学生支援機構はKCSに加盟している
実は、日本学生支援機構は全国銀行個人信用情報センター(KSC)の会員です。
ですので、日本学生支援機構は、奨学金情報を登録しようと思えばできてしまいます。
<目次に戻る>
日本学生支援機構の信用情報に対するポリシー
ですが、日本学生支援機構は、登録についてポリシーを定めています。
日本学生支援機構のポリシーを見れば内容細かく書いてあります。
重要な点のみ言うと、次のとおりです。
- 延滞3か月以上の場合にのみ、「延滞者」として信用情報が登録される
つまり、「延滞しない限り、登録はされない」ということなんですね。
これが、【基本はバレない】【滞納はダメ】と書いた理由です。
<目次に戻る>
銀行が見破れるのは、2パターンのみ
ですので、まず銀行が奨学金を借りている、と把握できるのは「奨学金の延滞者」が1パターン目。
もう1パターンは、何か分かりますでしょうか?
実は、とっても単純なお話でして…
- 奨学金の引き落とし口座が登録されている銀行
これは、当たり前の話ですよね。
なので、延滞をしていない場合、多くの人は「1つの銀行しか奨学金を借りているか見破れない」ということになります。
私の場合は、途中で返済口座を変えたので、最大2行が見破れることができました。
<目次に戻る>
奨学金の有無は【聞かれたら報告】のスタンスでいい
以上のことから、冒頭にも書いたこの言葉は、「はったり」ということが分かります。
銀行は調べれば分かるので、奨学金借りてたら借入状況に書いて下さいね。
そして、これは私たちの意見というか、ポリシーなのですが…
- 聞かれないことはあえて自分から話す必要はない
その他の借入は、何かしら審査に影響するのは間違いないです。
ですので、できれば「不利な情報」は、自ら流すべきではありません。
勿論聞かれたら答える必要がありますが、聞かれなければ敢えて「言わない」ことも重要だと思います。
でも、後日万が一銀行に聞かれたらどうするの…?
その時は、正直に「奨学金の返済あります」と言えばいいだけです。
なぜなら、審査の時点では「奨学金が借入だと思わなかった」だけなので…
それに、仮審査で銀行から問い合わせがなかったとすると、それは、「銀行の確認ミス」だと思います…
<目次に戻る>
奨学金があった私たちの場合【結論:何も言われない】
先ほどもお伝えしたとおり、私は奨学金の返済が審査当時、残っていました。
そして勿論、私たちの対応方法は、「聞かれれば答える」ということでした。
例えばですが…
- 対面式の場合、担当者に聞かれれば答える
- ネット銀行の場合、記入ルールに「奨学金」について触れていれば答える
このような形です。
なぜこのようにしたかというと…
私の場合、返済残がそもそも少なく、無利子。いつでも一括返済もできるレベルでした。
そして、実際に「奨学金がある」言ったのは、仮審査を申込みをした銀行のうち、大体3~4割でしょうか。
ちなみに、審査結果に奨学金が影響している感じはなかったです。
そして、特に奨学金について報告しなかった銀行についてですが…
何か後日奨学金について聞かれる、ということは一切ありませんでした。
<目次に戻る>
個人信用情報に不安がある方の対処法
というわけで、以上は個人信用情報に関するおおまかなまとめです。
最後に、信用情報に不安がある方に向けて、いくつか対処方法をお話しします。
ただ、正直な話、そこまで良い方法があるわけではないです。。。
【まずは開示請求】ただし照会履歴は残るので注意
まず、過去に延滞してしまい、何か不利になることが登録されているか不安な方は…
まずは、自分の信用情報を調べることをおすすめします。
というのも、個人信用情報は、自分についての情報を調べることは可能だからです。
ただし、一つ注意点があります。それは、
記録照会の履歴は残ります
上の方でもお伝えしましたが、KSCは1年以内、CICとJICCは6か月以内の間、記録が残ります。
なぜ注意した方がいいかと言いますと、「銀行に記録を照会したことがバレる」からです。
実際、履歴があると、銀行はこのように思います
この人、過去に何か返済遅れたこととかあったのかな…?怪しいぞ…
というわけで照会した方は、照会してから1年間は、住宅ローン審査を行わないことをおすすめします。
<目次に戻る>
「事故情報」がある場合は、消えるまで待つべき
次に、万が一「事故情報」が載ってしまっている方の場合…
事故情報が消えるまで住宅ローン審査はやめましょう
軽微なものや、もう何年の前の場合、住宅ローンは借りれる可能性はあります。
ですが、条件が不利になってしまうのは間違いありません。
ちなみに、事故情報が消えるのは、「そのローンが終了してから、5年以内」。
つまり、ローン完済後、最長5年間は記録が残る可能性があるわけです…
5年も待たなきゃいけないって、その間に歳とって、借入できなくなっちゃうよ…
このように思うかもしれませんが、やってしまったことは仕方がありません。
こうしたことを見ると、借入の延滞や滞納はいかに罪が重いか分かります…
ですので、そもそもの話ですが、延滞や滞納は絶対に避けるべきこと、とも言えます。
<目次に戻る>
「事故情報」があって借りたい場合は、銀行の印象を上げるべき
どうしても記録が消えるまでを待てない場合。
この場合は、少しでも「銀行の印象」を上げる行動をすべきです。
例えばですが…
- 頭金や現在の資産を伝えて、今は問題ないことをアピールする
- 銀行が信用情報を照会する前に、過去にあった延滞を、自分から正直に伝える
- 延滞がどうしてもやむをえないことだったとアピールする
- 借入などがまだある場合、一括返済するなどの姿勢を見せる
勿論、こうしたことをしても審査で落ちる可能性は高いです。
そして、審査に受かっても「条件が不利」である可能性は高いです。
ですが、印象が審査に影響を与えるのも事実。ようは、「誠実さ」が大事です。
というわで、少々長くなってしまいましたが、以上が住宅ローン審査での信用情報についてでした。
なお、最初の方でも書いたのですが、無料で使える住宅ローンのサービスについて記事を書いています。
良かったら、参考にご覧ください。なお、既に借入が決まっている方は、見ない方が良いかもです。
- ・【簡単】住宅ローン仮審査で落ちないための対策②【やれることをやる】
- ・【他人事じゃない】住宅ローン仮審査に落ちる理由①【私達も落ちた】
- ・【失敗談あり】住宅ローン仮審査に落ちる理由②【他人事じゃない…】
- ・【単純】住宅ローン仮審査で落ちないための対策①【できることをやる】
- ・住宅ローンで勤続年数の嘘はバレるのか?【ヒント:資格取得日】