つなぎ融資とか分割融資(分割実行)って、何がどう違うんだろう?なんかいまいちよくわからない。。。
注意点とか、ネット銀行で借り入れる場合ってどうすればいいんだろう…
家を建てる場合、約6割の人が土地から購入して家を建てるとのこと。
なので、現預金をたくさん持つ人以外、つなぎ融資や分割融資(分割実行)は、避けて通れない話なのですが…
なかなか有益な情報が見つからない…
というわけで、つなぎ融資や分割融資(分割実行)についてざっとまとめてみました!
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住宅ローンのつなぎ融資と分割融資(分割実行)を比較
住宅ローンのつなぎ融資と分割融資の違いを簡単に説明すると、次のとおりとなります。
- 分割融資(分割実行):家が完成する前に必要なお金に対して、住宅ローンを分割して借り入れることでまかなうこと
- つなぎ融資:家が完成する前に必要なお金に対して、住宅ローンとは別に一時的にお金を借り入れることでまかなうこと
この2つの性質の違いは、「住宅ローンとは別のローンを使うか使わないか」。
メガバンク等の対面で行う銀行の場合は、基本的に分割融資(分割実行)に対応してくれると思います。
ただし、各銀行分割融資(分割実行)は何回まで、というルールも違うと思うので、必ず確認は必要です。
一方で、ネット銀行の場合は、分割融資(分割実行)ではなく、つなぎ融資で対応してください、と基本的にどこの銀行もなっています。
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つなぎ融資や分割融資(分割実行)が必要となるケースについて
家が完成する前の資金調達ですので、次の場合、このつなぎ融資と分割融資(分割実行)が必要になってきます。
- 土地の購入が必要な場合
- ハウスメーカーで着工金や中間金がある場合
- 上の2つの支払いを、自分が持つ現預金で賄いきれない場合
つまり、現金たくさん持っている人は、このつなぎ融資・分割融資(分割実行)というのは必要ないです。まあ、そんな人少数でしょうけど…
なお、着工金・中間金については大手ハウスメーカーの場合、必要がないところもあります。
なので、自分が使う予定のハウスメーカー・工務店がどのような条件になっているのか、確認が必要です。
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つなぎ融資と分割融資(分割実行)の費用の違いとは?
費用面での違いは、主に3つです。
つなぎ融資と分割融資(分割実行)の違い① 金利
- 分割融資(分割実行)の場合:住宅ローン自体の分割ですので、住宅ローンに適用される利率で借入を行うことが可能。
- つなぎ融資の場合:独自に金利が設定。金利は現在の住宅ローンの金利相場からすると、非常に高い。
何が言いたいかというと、つなぎ融資の方が、利息をたくさん支払わなければいけない、ということです。
- アプラス:2.675%
- 楽天銀行:2.63%
- イオン銀行:変動金利の基準金利(この時点では、2.37%)に+1.6%(一般団信) or 1.9%(ワイド団信)
一方で、現時点での住宅ローンの金利は、変動で0.4 – 0.5%程度、フラット35で1.0%前後です。
いかにこのつなぎ融資の金利が高いか、ということがわかりますよね。。。
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つなぎ融資と分割融資(分割実行)の違い② 手数料
- 分割融資(分割実行)の場合:融資金額に対しての借入手数料が必要(大抵の借入手数料の場合は、税抜で2.0%)。
- つなぎ融資の場合:独自に事務手数料が一律でかかる。
独自の手数料というものの、どこも同じ金額です。。
- アプラス:100,000円
- 楽天銀行:100,000円
- イオン銀行:100,000円
確かに、銀行の足並みがそろっているわね。。。
これは分割融資(分割実行)とつなぎ融資で何が違うのかというと、つなぎ融資は追加費用が10万発生する、ということです。
例えば、借入金額が3,000万円だとして、そのうち1,000万円が事前に必要になったとします。
- 分割融資(分割実行)の場合の総手数料額: 1,000万円×2%(分割融資(分割実行)実行時) + 2,000万円×2%(本融資実行時) = 60万円(税抜)
- つなぎ融資の場合の総手数料額: 10万円(つなぎ融資実行時) + 3,000万円×2%(本融資実行時) = 70万円(税抜)
つなぎ融資の場合、2行(つなぎ融資の貸出先と、住宅ローンの貸出先)から借り入れを行うために、このような追加費用が発生してしまうのです。
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つなぎ融資と分割融資(分割実行)の違い③ 抵当権設定費用
これは、今までの①、②とは逆で、分割融資(分割実行)の方が、高く費用がつく部分です。
住宅ローンで金融機関からお金を借りる際、万が一なにかあったときのリスク回避のために、銀行は土地・家に対して抵当権を設定します。
この抵当権については登記をする必要があるのですが、その登記に対して税金がかかってきます。
これがつなぎ融資と分割融資(分割実行)では対応が違います。
- 分割融資(分割実行)の場合:借入金額 × 4/1000
- つなぎ融資の場合: 1,000円(つなぎ融資は、仮登記で行うことが多い)
つなぎ融資の場合は一時的なものですし、すぐに返済が完了するので、費用が安い仮設定による設定となっているようです(アプラスはそうでした)。
実際はつなぎ融資の場合も、住宅ローンの借入実行時に抵当権の設定はする必要があります。
ただ、つなぎ融資を経由して借入をした場合は、借入額全額を税率が4/1000ではなく、1/1000で計算できます。
- 通常の抵当権の税率の場合:4/1000(0.4%)
- 抵当権の設定登記の特例に該当する場合:1/1000(0.1%)
????よくわからないわ…
この特例については、以下の記事の抵当権の部分でもう少し細かく説明しています。
例えば、先ほどの3,000万の借り入れをして、1,000万円分割融資(分割実行)・つなぎ融資が必要な場合は、次の通りの計算になります。
- 分割融資(分割実行)の場合の抵当権登記費用: 1,000万円×4/1000(分割融資(分割実行)実行時) + 2,000万円×1/1000%(本融資実行時) = 6万円(税抜)
- つなぎ融資の場合の総手数料額: 1千円(つなぎ融資実行時) + 3,000万円×1/1000(本融資実行時) = 3.1万円(税抜)
とりあえずは、つなぎ融資の方が若干この分については安く済みますよ、という点を注意しておけばよいと思います。
では、次にネット銀行での借り入れの場合に必要となる、つなぎ融資についてもう少し細かく見ていきます。
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つなぎ融資を独自に持っているネット銀行は楽天銀行とイオン銀行
私たちが知っている限り、住宅ローンを取り扱うネット銀行は、次の6行です。
- 住信SBIネット
- じぶん銀行
- 楽天銀行
- ソニー銀行
- イオン銀行
- ジャパンネット銀行
このうち、次の2行が、住宅ローンを借り入れることを前提に、つなぎ融資ローンを取り扱っています。
楽天銀行
イオン銀行
つまり、その他のネット銀行4行については、自分達でつなぎ融資を別の金融機関から借り入れる必要があります。
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借入先がつなぎ融資を扱っていない場合の方法
では、自分たちで借り入れる方法としてはどのような方法があるのか?
フラット35の場合は、つなぎ融資に対応してくれる会社や金融機関がそこそこあると思います。
ネット銀行の場合は、私たち探した中では4パターンありそうでした。
つなぎ融資の借入方法① アプラスでのつなぎ融資
アプラスの場合は、固定金利年2.675%で、融資手数料が100,000円 + 消費税、かつ8,000万円までのつなぎ融資が可能です。
私たちも、アプラスからの借り入れました。
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つなぎ融資の借入方法② 東光商事でのつなぎ融資
東光商事の場合は、固定金利年2.50%で、融資手数料が100,000円 + 消費税、かつ8,000万円までのつなぎ融資が可能です。
私たちがつなぎ融資を探していた時、このローンは見つからなかったです。2.5%なので、アプラスより若干条件が良いですね。
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つなぎ融資の借入方法③ アサックスでのつなぎ融資
アサックスとは、不動産担保ローンを得意としている会社。
ただ、ここは金利が2.60% – 5.90%、融資手数料も 0% – 3.0%と、幅があり、審査してみないとどうなるかがわかりません。
さらに、借入の際に、不動産も担保に入れなければなりません。
ただ、短期間で色々と物事を進めなければいけない期間に、このような幅のあるローンを使うことは正直微妙です。。
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つなぎ融資の借入方法④ ジャックスでのつなぎ融資
ジャックスはクレジットカードの会社でよく知られている会社ですが、実はこの会社、工務店やハウスメーカーと提携してつなぎ融資も行っています。
知人を通じて内部資料見せてもらいましたが、利率は1%台前半と、他のつなぎ融資の金利よりも断然お得です。
もうだいぶ前の話で、かつ資料も社外秘でしたのでだいぶ忘れてしまっているのですが、手数料はつなぎ融資の金額によって異なっていたかと思います。
提携しているハウスメーカーかどうかは、直接聞いてみないとわかりませんので、確認が必要です。。
でも、このつなぎ融資を使えるのであれば、支払金利を抑えることができるからお得よね♪
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親族からの一時的な借り入れをつなぎ融資に使えるのか?
つなぎ融資で親族からの借り入れはどうなのか。
裕福なご家族に生まれた方なら、この方法も考えますよね。親族から借り入れができれば、金利かかりませんし。
ただ、金融機関の多くは、親族からの借り入れを認めません。
認められたとしてもそれは自己資金扱いになってしまい、親族から借り入れた分については住宅ローンを借りることができなくなります。
私たちが確認した中では、じぶん銀行だけは親族からの借り入れを認めてくれる、と言っていました。
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つなぎ融資の裏技もありますが、銀行に迷惑をかける方法です
どことは言いませんが、とあるネット銀行の窓口は、つなぎ融資の裏技を電話越しでいくつか教えてくれました。
- 対面式の銀行で融資手数料・保証料を金利に上乗せできる住宅ローンで一旦借入をし、分割融資(分割実行)を受け、住宅ローン借り入れ直後に他のローンに借換を行う。
- フラット35の本審査承認を通し、フラット35向けのつなぎ融資を利用する。ぎりぎりになって、フラット35をキャンセルし、変動金利での借り入れを行う。
つなぎ融資の裏技① 金利上乗せ型の住宅ローンを借りる
まず、1つ目です。
私たちが住宅ローンを組む際、融資手数料や保証料を支払う必要があります。
大体どこの銀行も、融資金額の2.2%(消費税込)としており、これは住宅ローンの借入時に支払います。
しかしながら、一部の銀行では、この手数料や保証料を借入金利を、0.1%程度上乗せをする代わりに、住宅ローン時に支払いを分割で払っていくことを可能としています。
まあ、総支払額で見ると、上乗せの方が多くはなるんですが。
ただ、初期費用を少しでも抑えようとしたい方にはうってつけの方法なわけです。
つまり、次のようにすることで、最初の住宅ローン借入をつなぎ融資の代わりに使用でき、かつ総支払金額も抑えられる、というわけです。
- 一旦対面式の銀行で住宅ローンの承認を受け、融資を受ける。融資手数料を金利上乗せ型にする
- 家が建ったら、ネット銀行の住宅ローンの借換審査を行う
- ネット銀行の本承認を得られたら、最初に借りた銀行のローンを一括返済し、代わりにネット銀行から借り換えする
ただ、次のような部分はどうなんだろう?と思っています。
- 抵当権の設定費用、司法書士に払う費用を2重で支払う必要がある。司法書士のお金は大体10万前後なので、2重ということは単純計算で20万
- 借換の時に再度ネット銀行の審査を受けなければいけない。審査は絶対通ると保証されているわけではないので、万が一住宅ローンの借換否認された場合、借換を行うことができない。
つまり、お金は確かに通常よりも安くは済みそうですが、それなりの大きなリスクがあるってことです。
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つなぎ融資の裏技② フラット35のつなぎ融資利用する
2つ目。フラット35の場合はつなぎ融資に対応してくれるところが多数あります。
よって、
- フラット35の住宅ローン審査を通し、ここで借りると意思表示をしたうえで、つなぎ融資を受ける。
- ぎりぎりになって、フラット35をキャンセルして、当初から予定していたネット銀行での借り入れを行う。
という方法をしている方もいる、とのことです。
フラット35のつなぎ融資の金利は1%台であるものが多いので、確かにうってつけではあります。
ただ、やってることが詐欺っぽいですし、相手にも迷惑がかかります。ぶっちゃけ「非常識」だと思います。
というわけで、私たちは両方とも却下で、普通にアプラスからつなぎ融資を借り入れることにしました。
この辺り実際にこのような対応した方にどうだったのか、と聞きたいところです。
が、そもそも後ろめたさがある感満載ですので、出てこないでしょうね。。。
というわけで、以上が、分割融資(分割実行)・つなぎ融資のまとめでした。
なお、最初の方でも書いたのですが、無料で使える住宅ローンのサービスについて記事を書いています。
良かったら、参考にご覧ください。なお、既に借入が決まっている方は、見ない方が良いかもです。
- ・住宅ローンと審査:良い条件を、効率的に探す方法【5分で探す方法も…】
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- ・住宅ローン本審査とつなぎ融資(家を建てるためにしたコト②)
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